【入社エントリー】保育士から新たな挑戦へ――“子ども×音楽”と共に歩む福知山でのキャリア

はじめまして、2025年4月から株式会社Locatell(以下ロカテル)に入社いたしました、坂根ここのと申します。

保育士として2年間、認定こども園に勤務したのち、この春からロカテルにお世話になることになりました。

この記事では、入社エントリーとして、これまでの経緯と、入社して1ヶ月を振り返っての想いを綴っていきたいと思います。

音楽と保育、ふたつの夢が重なった瞬間

私は神奈川県川崎市で生まれ、小学校1年生の時に京都府綾部市へ引っ越しました。その後、綾部市の隣町にある福知山高校に進学。部活動は音楽部に所属して、アコースティックセッションをしたり、合唱に取り組んだりしていました。

そして、高校1年生の冬、音楽療法に出会います。師匠である音楽療法士・Miseraさんとの出会いを通じて、音楽の力で人の心にそっと寄り添い、癒し、支えていく。そんな音楽療法の奥深さに惹かれました。

私は3歳の頃からずっと保育士になるという夢を描いてきました。幼い頃から年下の子と一緒に遊ぶことが好きで、保育園で担任していただいた先生に憧れたことがきっかけで、幼いながらに「ほいくえんのせんせいになる」という強い意志を持っていました。

けれど、音楽もまた私にとって特別な存在でした。歌が好きな母とギターが好きな父の元に生まれた私は、音楽が当たり前にある環境の中で育ちました。

5歳でピアノを習い始め、高校でギターに夢中になり、大学生で民族楽器を集めるという趣味ができ、音楽なくして私の人生は成り立たないくらい、大切なものになっていきました。どんなに辛いこと、苦しいことがあっても、音楽だけはずっと私の味方でいてくれたと感じています。

だからこそ、「大好きな音楽の道を諦めたくない」という気持ちが心の奥にずっとあり、保育と音楽のどちらか一方を選ぶことに迷い続けていました。

そんな中で出会った音楽療法という世界は、まさに私にとって運命的なものでした。「子ども×音楽」という、夢をかけ合わせた生き方が見つかった瞬間だったのです。

大学時代に孤独の中で見つけた「音楽の力」

大学進学時には、保育関係の資格に加えて「こども音楽療育士」の資格が取得できる、兵庫大学生涯福祉学部こども福祉学科を選びました。「こども音楽療育士」とは、音楽を通じて子どもの心身の発達を支援したり、保護者との愛着形成をサポートしたりしていくことを専門としている職業です。

私は大学時代にコロナ禍を経験しました。制限の多い生活を強いられたあの時期には、直接人と触れ合えないことの悔しさを痛感したのを覚えています。でも、今までにないくらいの孤独感を味わったからこそ、生の音が持つぬくもりや、音を通じて生まれる心の交流を大切にする音楽療育への想いはどんどん強くなっていきました。

3年生からは音楽と心理学を専門とされている立本千寿子先生のゼミに所属し、立本先生の研究の一環として療育園の現場にも同行させていただくなど、貴重な経験を積むことができました。

大学卒業後は、保育の現場で実践経験を積みたいと考え、認定こども園に就職。新人保育士として日々悩みながらも、温かい先輩方にたくさんご指導いただき、可愛い子どもたちとの時間を楽しく過ごすことができました。

入社に至った経緯

福知山芸術文化振興会のイベント終了後、出演者の皆さん・アートボランティアメンバーと

社会人になり、保育士として働くかたわら、細々とこども音楽療育士として障害児や小学生との関わりを続けていました。そんな中、保育士1年目の秋に、ロカテルが制作を手がける、一般社団法人福知山芸術文化振興会の活動と出会いました。

「豊かな芸術文化体験をしてほしい、その体験を自分自身の強い味方にして人生を歩んでいってほしい」と願いながら子どもたちに関わってきた私にとって、福知山芸術文化振興会の理念や事業内容は心から共感できるものでした。

そこで、すぐにイベントの運営をサポートする福知山アートボランティアに登録し、休日にはお手伝いをするようになりました。

イベントを通して様々なアーティストの方やお客様と出会い、自分自身も芸術文化に触れることが心の栄養となっていました。

ボランティア活動を続けるうちに、毎回「今日も元気になれたな。次回も楽しみだな」と思えるアートボランティアの現場が大好きになりました。同時に、こども音楽療育士としても活動の幅を広げたいという想いが芽生えてきました。

そんな中、吉田佐和子社長から「社員として一緒に活動しないか」とお声がけをいただき、私は大きな岐路に立つことになります。

吉田佐和子社長(左)と

保育士を続けるか、新たな道に進むか―。

まだまだ駆け出しの私が、ここで保育士を辞めてしまっていいのだろうか?という迷いは大きく、何よりも子どもたちと離れる寂しさが押し寄せてきました。

でも、「私の人生の舵を取れるのは、私自身」という確かな強い思いも抱いていました。

今年で25歳。どんなに望んでももう二度と戻ってこないこの時間をどう過ごし、これからのキャリアをどう描くかを真剣に考えました。

ちょうどその頃、私は、“イヤイヤ期”まっただ中の2歳児クラスを担当していました。葛藤しながらも心身共に成長していく彼らの姿に、自分の境遇を重ねました。「葛藤の先にこそ成長が待っている」―子どもたちが体現するこの真理が、私の背中を押してくれました。

子どもたちとそのご家族に、これまで以上に魅力的で豊かな体験を届けられる人間になりたい。次第にそんな思いを抱くようになりました。

そして、自分自身が絶対に後悔しない選択をしたいと考え、今しか味わえない出会いや挑戦があると確信し、株式会社Locatellへの入社を決意しました。

あわせて、ロカテルが制作を手がける、一般社団法人福知山芸術文化振興会の事務局長にも就任いたしました。

キャリアと子ども×音楽を大切にできる環境

ロカテルは社員の“複業”を支援する体制が整っており、こども音楽療育士としての活動も理解してもらっています。

個人の活動として確立できるように、個人事業主の開業届の出し方から個人サイトの作成まで、丁寧にご指導いただいています。

入社時には、会社のサポートでカラーや骨格の診断を受け、自分に似合う服やメイクを知ったあと、アーティスト写真の撮影もしていただきました。

自分の人生でアーティスト写真を撮る日が来るなんて、全く想像もしていませんでした。全てが初めての経験でしたが、この経験がきっかけで、社員としての仕事も個人の活動もさらに頑張ろうと決意を新たにしました。

まだまだ未熟な私ですが、多くのことを学びながら、新しい出会いに恵まれる日々に、思い切ってこの道に進んでよかったと思っています。

現在の働き方

私の現在の働き方は、フレックス制を取り入れたリモートと対面のハイブリッド型です。

自宅でリモートワークを行う日もあれば、社長と一緒に対面で仕事をする日もあります。また、現在は学びの期間として、東京・大阪・京都市内など、様々な場所に出向いて、実践を見学したり、実際に参加したりする機会もいただいているため、京都府外への移動も多くなっています。

フレックス制のおかげで、自分のこども音楽療育士としての活動や、合唱・手話サークルへの参加といった自己研鑽にも、思い切り打ち込むことができており、とても充実した日々を過ごしています。

担当している業務について

編集を担当するFukuchiyama Magazine

現在、Fukuchiyama Magazineの記事執筆や、フォトグラファーやモデルの方、取材先の方々との連絡調整を担当しています。

また、音楽イベントの制作に携わる場合には、現場でお客様対応や音響セッティングなどの裏方業務を担当することもあります。

4月8日(火)に行われた「竜馬ヴァイオリンライブ in 福知山」では、会場の設営、音響、受付業務などを担当しました。

ライブを開催したい人と、聴きたい人の想いを叶えるために、制作という仕事を通じてイベントを成功へと導いていくことにやりがいを感じました。

その他にも、制作をつとめる福知山芸術文化振興会のイベントの制作業務、チケット管理、ワードプレスを使用したサイト更新やSNSでの情報発信など、業務は多岐に及びます。

4月12日(土)には、福知山芸術文化振興会主催のイベントである、「参加型音楽ワークショップ♪Shall we ミュージック!?」に運営スタッフとして参加しました。

もともとボランティアとして関わって来たこともあり、大好きな活動が仕事になったということが感慨深かったです。また、当日までチケットの管理やアーティストへの連絡など、様々なことに気を配っていく業務内容を初めて経験しました。

来年度からは、事業の立案から予算編成、運営まで一貫して携わるので、今年度中にしっかりと学びを深め、一つひとつの経験を次の事業へと繋げていきたいと考えています。

研修参加について

福知山市内外を問わず、各地で開催される様々なコンサートやワークショップに研修として参加する機会もいただいています。ずっと行ってみたかった場所や、会ってみたかった人に出会えるこの時間は、私にとって貴重な学びの場となっています。

  • 4月11日(金)『Bambino!0歳からのパフォーミングアート』オープンワークショップ

京都市内でベイビーシアターを展開しているBambino!さんが開催されたワークショップに参加しました。Bambino!さんは、福知山芸術文化振興会のダンスイベントにも講師としてお越しいただいた、千代その子さんが代表を務められています。

▼福知山でのダンスイベントの詳細はこちらから
https://fukuchiyama-artculture.com/1day-ballet/

自己紹介の時には、自分の「好きな感覚」と「嫌いな感覚」を発表し合い、自分の感覚を改めて知ることで、子どもたちの求めている感覚が自然と見えてきて、子どもたちにとって心地いい環境をつくることができるということを学びました。

その後、昨年度の活動報告を聞かせていただき、実際に体を動かして様々なワークショップを体験しました。絵本の一つのシーンを自分の体でどのように表現するのか考え、一つひとつの音や光、物の動きなどを子どもたちはどう感じ取っているのか想像する中で、身体表現活動の魅力を肌で感じながら学ぶことができました。

保育士時代から意識していた「子どもの目線に立った環境構成」は、このワークショップでも大切な視点として共有されており、講師や参加者の皆さんと深い対話ができたことも印象的でした。

すべての活動が「子どもたちにとって良いものを届けたい」という想いから始まっていることを感じ、福知山芸術文化振興会の事業にも共通する部分であると改めて気づきました。

  • 4月19日(土)東京・春・音楽祭『ミニピアノとの出会い』

ロカテルは東京都調布市で行われている調布国際音楽祭のSNS発信を担当していることから、私も6月末は調布に滞在して業務を行う予定です。

東京で開催されている音楽祭を体感してほしいという社長の指示で、東京・上野で行われたコンサートに足を運びました。数ある音楽祭の演目から、川口成彦さんによる『ミニピアノとの出会い』という公演を選んだのは、ミニピアノを生で聴いてみたいという想いと、音楽療育のヒントになるかも知れないという想いからでした。

川口さんが、4台のミニピアノと4台のトイピアノを使い分けて30曲以上を演奏する姿に驚きました。どの曲も音色が異なり、最初の音が鳴る瞬間の期待と、音が広がることで緊張がほぐれる会場の雰囲気は特別でした。可愛らしい音から鋭い金属製の音まで、終始楽しく聴くことができました。

「このピアノたちに合う曲を一生懸命探しました」という川口さんの言葉通り、1つひとつの楽器を丁寧に使い分ける姿に、楽器選びの大切さを改めて感じました。

このように研修としてイベントに参加することで、観客として純粋に楽しみながらも、演出意図を読み取る中で、自分の企画・運営にも役立てられることがたくさんあります。今後も現場に足を運び、学びを深めていきたいです。

今後に向けて

この1ヶ月は、新しい環境に飛び込んだことで、目の前では常に新しいことが繰り広げられ、学ぶことばかりの毎日でした。

慣れない業務に戸惑いながらも、企画や広報といったこれまで経験のなかった分野にも携わり、保育の現場とはまた違った角度から、子どもたちや地域、そして芸術文化と向き合う経験を通して、視野が広がっていくのを感じています。

こうして、私が新たな一歩を踏み出すことができたのは、これまで出会ってきた多くの方々の支えがあったからです。全ての人に心から感謝しています。

今後は、これまでの経験を活かしながら、さらに多分野の勉強を重ね、豊かでたくさんの人が笑顔になれるような芸術文化体験を届けられるように、真摯に取り組んでいきたいと思います。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

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